A1:基本的には電源をONにして、2分間の初期ウォームアップが完了すると、ポンプによって
ノズルから引き込まれたにおいを含む空気の測定を始めます。
試料や、においの発生源にノズルの先端を近づけて測定をしていただけます。
現場にハンディにおいモニターを持っていくことが困難な場合や、試料を希釈後に測定する
必要がある場合などは、本機をそのままガスバッグに入れてしまう方法(吸引したガスが
そのまま排気されて、試料ガスが減少しません。)や、吸気ノズルだけをガスバッグに
差し込む方法などがあります。
・試料からそのまま吸引させて測定する方法
・現場でガスバッグににおいを採取してくる方法
A2:ハンディにおいモニターで特定悪臭物質(22種)の一部などを測定したデータをご紹介します。
あくまでも実験値であり、 器差もありますのでそのあたりはご了承ください。
・悪臭ガスの測定例その1/その2
A3:コーヒーのにおい測定方法としてここでは、豆のにおいの測定例を紹介しています。
ドリップした状態つまり飲める状態になったコーヒーは水蒸気の影響が大きく正確に
測定することが難しいからです。
1)まず、においやガスを発生した吸い込んだりしない密閉できる容器
(内面に凹凸の少ないもの)を準備してください。
コーヒー豆の場合は、その銘柄、豆の状態、鮮度、重量、試料のコーヒーを入れる容器、
加熱する場合はその温度などの条件を予め
決めておいて下さい。
2)次に本機のゼロ点調整、その他の設定の準備をします。
3)本機を容器内に閉じ込め、においの無い状態で短期間測定を行い、ベース状態を確認
または記録します。
4)試料を容器内に入れて密封し、におい強度の指示値が上昇し安定するのを待ち、
においの強度や識別情報を記録します。
5)試料を取り出し、本機を清浄空気内中に移し、強度が下がるのを待って、測定を終えます。
A4:香水は一般的にアルコールを代表とする溶媒に溶かしてある場合が多いと思われます。
本機はアルコールなどの溶剤に対する感度が高く、測定の妨害となるため、これらの溶媒
(溶剤)を十分に気化させたあとに残った純粋な香料のにおいのみを測定することが必要と
なります。
そのため、まず一定量を脱脂綿などに染み込ませ、開放雰囲気中で一定時間放置して溶剤を
取り除いたものを試料としていただくことなどが考えられます。
ただし、この場合でも溶媒の気化条件を固定できない以上は、においの物質濃度としては、
本機の指示値が再現性が得られない可能性があることを
ご理解いただきます。
また、人間の皮膚に塗布し溶剤を気化させた後に測定することも考えられますが、
さらにバラツキが多くなります。
溶剤を気化させた後の試料の測定方法としては先述のコーヒーの項をご参照ください。
実際のコーヒー銘柄別測定例を別ウィンドウでご参照下さい。
・銘柄別コーヒーのにおい強度測定例
A5:においの物質濃度が高すぎて、本機の指示値がオーバーレンジするような場合は、
薄めてから測定することが必要です。
1)チューブなどを通して本機に吸引可能なガスバッグを用意してください。
密閉できてなお且つ数分間吸引するのに十分な空気の入る容積(数L)のものが必要です。
2)測定対象のにおいを含む空気を一定量注入し、次に一定量のにおいのない清浄空気を
注入します。その際、試料と清浄空気の量を計算しておいて下さい。
清浄空気は活性炭フィルターを通したものを使用します。ドライエアやボンベエアは使用
しないで下さい。また大きく湿度の異なる空気を使用しないように気をつけて下さい。
3)次に本機のゼロ点設定その他の準備を行い、まずにおいの無い状態でのベース状態を
確認します。
4)本機の吸引ノズルをガスバッグに接続して測定を開始し、におい強度の指示値が上がり
安定するのを待ち、強度や識別情報を記録します。
5)本機とガスバッグの接続を外し、本機を清浄空気中に移して指示値が低下するのを待って
測定を終えます。
A6:少量の試料空気のにおいを測定するとき、一定の測定時間で本機が試料空気を吸引し尽くて
しまうことが考えられます。
このような場合、
1)試料空気を捕集しているガスバックあるいは捕集ビンなどに、本機をそのまま入れ込んで
測定する(このときにはメモリーサンプリング測定が便利です)方法
2)接続口が2つあるガスバッグを準備していただき、それぞれを本機のノズル(吸入口)と
排気口につないで、少量の空気を循環させて測定する方法
の2つが考えられます。
A7:本機には、データファイリングソフトを標準付属しております。
1)リアルタイム測定、つまり本機をRS232CケーブルでPCに接続した状態で測定データをPCに
転送していく(主に実験室などの環境を想定)場合
2)メモリーサンプリング測定、本機の持つメモリー機能を活用して、現場で測定したデータを、
後でPCに接続し転送する(複数のデータでも一括転送)場合
にご使用いただけます。
このソフトで提供している機能は、強度と識別情報の2つのデータだけを保存するものです。
PCに転送されたファイル形式は「.dat」となります。これをメモ帳やワードパッドなどのエディタ
ソフトでそのままご覧いただくこともできますが、
(エディタソフトでそのまま見た場合のデータ例はこちら)、
このファイルをエクセルから読み込んでいただく
(エクセルを開く⇒ファイル⇒開く⇒データのファイルを選択)
と簡単な操作で、セルに分割された
状態のデータとして読み込んでいただけます。
(エクセルで見た場合のデータ例はこちら)
EXCELでデータファイルを開いてからの簡単な操作の流れ
その1/その2/その3
その後データをいかにグラフにするかは、エクセルの使用方法に依存します。
どのようなグラフにするかは、目的によりますが次のようなものがあります。
タイプ1. |
折れ線グラフ |
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横軸:時刻 |
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縦軸:強度または識別情報 |
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臭気源への接近/離遠、脱臭装置の稼動前後などにおける臭気の
増大/減少など、時刻に沿ったにおいの消長がある場合、強度や
識別情報の変化傾向がわかります。 |
タイプ2. |
棒グラフ |
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横軸:識別情報 |
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縦軸:強度 |
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ひとつの棒はひとつの濃度しか表現できませんが、物質ごとの強度と
識別の関係を一覧的に表したり、似通ったサンプルの差を一目で
わかるようにできます。 |
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